真上からテーブルや地面を撮影する真俯瞰撮影。食べ物やモノを並べて撮るとオシャレに見えますよね。
私はデバイスレビューをする時に必ず何カットかは真俯瞰撮影で見せています。
俯瞰撮影に関する道具の揃え方とそのセットアップ方法について解説していきます。
動画での撮影を念頭に置いていますが、もちろん静止画でも使えますので必見です。
真俯瞰撮影のために揃えたい道具
卓上で動画の俯瞰撮影をしたい時に買わなきゃいけない機材って結構あるんですよね。
ここで紹介しているのは私が利便性なども含めて考慮した上での機材です。
元々持っているもので十分、または代用できるものがあるならそれはそれで問題ありません。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/a7iii-on-slidingarm2-fukan.jpg)
先に大まかな完成形を見せますと上記のようになります。
三脚にスライディングアームを取り付け、先端に自由雲台を取り付けます。
先端に付いているカメラは「SONY a7III」+「FE 50mm F1.8」。
重さはカメラがバッテリーなど込みで650g、レンズが202gなのでトータルで852gです。
当然アームをのばして不安定なバランスになるわけですから、安物機材だと不安です。
実はこの写真を撮った後、さらに2つほど工夫を加えているのですがそれは追々説明します。
フルード雲台付き三脚
![](https://32labo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
ビデオ向けのフルード雲台が付属した三脚を購入しましょう。本当はこれよりももっと大きくてロックが頑丈な雲台がいいですが、これでもなんとかなります。
安いものだとマンフロット、高いものならザハトラやビンテンあたりがおすすめです。
三脚は滅多に買い換えるものではないので「高いすぎない?」と思うレベルのものを買っておいた方が良いです。
ブレーキロック機構も頑丈なので、多少重さが傾いていてもロックを思いっきり締めれば全然動きません。
これが安い三脚や耐荷重が低すぎるものだとブレーキが弱すぎてちゃんと止まってくれないかも。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/manfrotto-tripod-fluid-head.jpg)
なぜフルード雲台かというと、パンやチルト動作がとてもスムーズにできるからです。
動画を撮るならフルード雲台じゃないと話になりません。
- 真俯瞰のままパンしてスライダー効果を出す
- 少し角度をつけて斜めから手元を撮る
このような応用も効きます。
スライディングアーム
SLIKから発売されているスライディングアーム。
雲台に取り付けることで水平方向にカメラ位置を延長できます。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots001.jpg)
メモリ的には40cmまで。これだけだとちょっと短いと感じる時が多いです。
机のサイズにもよりますが、真ん中までカメラを持ってこようと思ったらそれなりの長さが必要になります。
もし長さが足りない時はスライディングアームをさらに延長してしまいましょう。
延長ポール
ジンバル用の安いカーボン延長ポール。
これをスライディングアームの先に取り付けることによってさらに長さを延長できます。
ただしSLIKのスライディングアームに最初から付いてくる便利なアングルアダプターが付けられません。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots002.jpg)
一部突起があって回転しないような機構になっているため、ヤスリでゴリゴリ削ってあげればハマります。
自由雲台
アルカスイスプレートに対応した自由雲台。
これをスライディングアームの先端に取り付けてカメラを載せます。
なぜアルカスイスプレート対応が良いかというと、単純に取り外しがしやすいからですね。
毎回ネジを締め直すなんて手間だし疲れるしやめた方が良いです。
もう1つの手としてこのクイックシューがあります。
スライドさせるだけでカチンとはまってくれて、ボタンを押すだけですぐに外れます。
アルカスイスプレートよりも便利で素早く交換可能です。
これを使う前提なら自由雲台はネジ式のものでも良いでしょう。
ただし、アルカスイスプレートの上にこれをはめても使えますので、どちらでもOKです。
三脚やスライダー、カメラ2台持ちの方などには強く勧めたいです。
この交換のひと手間、大したことないように思えますが何度も繰り返すことになりますからね・・。
カウンターウェイト
![](https://32labo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
スライディングアームの反対側に取り付けたいカウンターウェイト。
ポールが長ければ長いほど先端は重くなります。
逆側にこの重しを取り付けることでバランスをとってパン動作などを行いやすくします。
マンフロットではこの1.3kgと4.0kgの2種類があります。
完全にバランスをとる必要もありませんが、テコの原理でカメラよりもかなり重いウェイトが必要になりますので、4kgがおすすめ。
モニター
これはオプションですが、俯瞰撮影でカメラを高い位置に設置するとディスプレイが見えにくくなります。
回転させられるバリアブルディスプレイだとしても高く上げすぎると見えないんですよね。
ですので、スマホでWiFi接続して映像を確認するか、別途モニターを出して見やすくするのが一番です。
大きめのモニターにしておけば、揺れやピントなどもわかりやすくなるので一石二鳥。
![](https://32labo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
HDMIケーブルも長めのものを一緒に買っておきましょう。
「SONY a7iii」はミニHDMIですが、カメラによっては異なる可能性があるので注意です。
真俯瞰撮影のセットアップをしてみよう
ここまで用意した機材を組み立てて、実際に真俯瞰撮影の準備をしてみます。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots008.jpg)
まずは三脚のプレートにスライディングアームを載せます。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots009.jpg)
延長用のカーボンロッドを取り付けて、スラディングアーム付属のアングルアダプターを先端に装着。
さらにその上に自由雲台を載せます。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots015.jpg)
クイックシューを使うならアルカスイスじゃない方が良いのですが、自由雲台はこれしか持ってないのでプレートの上に取り付けます。
![カウンターウェイトを取り付ける](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots007.jpg)
カウンターウェイトを反対側に取り付けます。
最後にカメラを載せて完成。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots010.jpg)
机の横まで三脚を持っていき、実際に俯瞰撮影したい高さまで三脚を伸ばします。
高さがまだ足りない場合、フルード雲台で少しチルトアップしてあげると良いです。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots014.jpg)
高さとスライディングアームの位置が決まったらカメラを載せて、自由雲台で角度を微調整します。
後は撮影するだけ!
![高さのある俯瞰撮影](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/overhead-shots013-768x1024.jpg)
これくらい距離の離れた俯瞰撮影も可能です。
![](https://www.32labo.com/wp-content/uploads/2020/12/a7iii-on-slidingarm2.jpg)
このセットアップの利点は真俯瞰だけでなくこのように斜めうちの撮影もできること。
カメラの液晶ディスプレイを確認しながら手元撮影できるので、とても良い距離感です。
カウンターウェイトに関して言うと、三脚のブレーキがしっかりしていればなくてもなんとかなります。
あまりおすすめしないもの
このような机にクランプするタイプはあまりおすすめできません。
何故かというと、机が揺れたらカメラも揺れてしまうから。
小さい画面では気付かなくても、後で編集している時に「揺れてるんだけど!」って後悔します。
どっしりした重厚な机で撮影している人や、スチールを撮る人には関係ないですね。
また、三脚を置く場所がどうしても無い方は妥協案としてアリかもしれません。
私はうっすいダイニングテーブルの上で撮影しているので、揺れがダイレクトに干渉します。
かなり離れた俯瞰撮影をしたい場合
かなり高いところから地面を俯瞰撮影したい場合など、三脚を使うとどうしても脚が見切れてしまうことも。
そういった場合、ライトスタンドを2本使ってポールにカメラをクランプする方法があります。
安上がりなのは背景撮影スタンドキットを使えば良さそうです。
この方法は私は試していませんので、アイディアとして置いておくだけですのでご留意ください。
このようなスタンドキットを設営します。
![](https://32labo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
![](https://32labo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
マジックアームとスーパークランプを使ってポールにカメラを取り付けます。
マジックアームに関してはSmallrigの製品などが安いです。
しかし、マンフロットの方が頑丈でロックがちゃんとしていますね。
カメラを直接載せるのでなるべくしっかりしたものを使ったほうが良いでしょう。
こうすれば脚が見切れることなく真俯瞰撮影が可能となります。
まとめ
真俯瞰撮影のための機材紹介と設営方法について解説しました。
撮影機材は長く使えるものが結構多いので、高くてもしっかりしたものを買うのがおすすめです。
それでは楽しい真俯瞰撮影ライフを!