どうも、スマホをiPhone 14 Proにかえたゲームギークです。
シネマティックモード楽しいですね、ここ数年のスマホってカメラのことしか宣伝しないよな〜とか思ってましたけど、実際かなり進化してて驚きました。
解像度が高くなっただけじゃなくて、センサーサイズが大きくなったとか、手ブレ補正が進化したとか、シネマティックは後処理でフォーカス位置変えられるとか。あれ?これ手持ちでグイングイン動いて撮ってもいけるのでは?と思ってかなり期待してたんですよ。
手ブレ補正は実際かなり良いんですけど、それでもやっぱりジンバルあった方が色々いいんじゃない?ということで、買ってみましたDJI Osmo Mobile 6。
スタビライズ機能がめちゃ進化した最新スマホがここにあるのに外部スタビライザーなんているの?っていう点を検証していきたいと思います。
Osmo Mobile 6の特徴
サイズと重さ
Osmo Mobile 6(長いので以下OM6)は畳んでいる状態だとカバンに入れるには十分小さいけど、ポケットに入れるには大きいです。基本的には付属のポーチに入れて、必要な時にカバンから出して使うパターンになるでしょう。
展開させるとこれくらいのサイズです。iPhone単体で撮影するよりも仰々しくはなります。
内蔵延長ロッドを最も伸ばした状態だと約21cmほど伸びます。手で引っ張るだけで伸び、例えば2段で止めるなど少し伸ばすだけというのも可能です。
重さは本体が310g、マグネットホルダーが31g、三脚アタッチメントが71g程度です。これに235gであるiPhone 14 Proを載せた状態だとトータル647g。
片手で持てるサイズと重さではありますが、できるだけ軽くしたいなら三脚アタッチメントを都度つけ外しすれば70gほど軽くできます。
DJI MICの併用がおすすめされているので、耐荷重はそこそこ余裕がありそうです。
ジンバル調整いらず
急な撮影チャンスですぐに組み上げられるかっていうとそれは難しい。初期準備に多少時間がかかりますから、決定的瞬間を撮り逃さないためには事前に組み立てておくしかありません。結局カバンに入ってること多いですしね。まぁそれは仕方ない。
すごく良い点はスマホが軽いからジンバルの調整とか小難しいことがないんです。
クイック起動といって、折りたたんであるのを展開すると勝手に電源が入ります。手元のボタンを長押しすることで手動で電源オフにもできますけど、元の状態のように折り曲げてあげると自動で電源オフ。この一連の仕組みはめっちゃ簡単でいいです。
磁気クランプにスマホを挟んでドットの合う方向でパチンとはめるだけ。だけとは言いましたがこのマグネットにスマホを挟む作業がややメンドクサイです。
ちゃんとまっすぐに挟んであげないと水平がズレます。
サイドホイールでズームフォーカス
正面左にあるサイドホイールを回すとズームができます。ただしDJI MIMOというカメラアプリを使わないと機能しないので、もしそれを使う予定がないならあんまり意味のないお飾りホイールになります。
便利な撮影アプリFilmic proが対応してくれることを切望してましたが、アプリ自体が急に課金制の微妙アプリに方針転換してしまい、金の亡者となりさがったので諦めました。しかもいまだにOM6対応してないっぽいし。
レンズの倍率切り替え時には画面がブワッとボヤけて切り替わるので、実際収録中に使えるとしたら倍率が変わらないところだけ。ホイール回しすぎたらアウトです。撮影中のズームとしては操作がシビアすぎるので微妙。
ホイールを押し込むとマニュアルフォーカスモードに切り替えられます。手動で滑らかにフォーカスを送れるので、フォーカスイン・フォーカスアウトといった映像表現の幅が広がります。
スティックでパンフォロー
スティックを倒すことで上下左右にパンできます。ジンバル自体の向きとパンを上手く合わせて撮影するのが重要です。逆さにしたり横に持ったりするとスティックとカメラの方向が分かりにくくなって、慣れるまでは結構間違えます。
チルトの可動域は狭い
OM6の弱点はチルトの可動域がそんなに幅広くないこと。
全然上下にチルトできないんですよね。これ結構困るレベルで、手元撮影とかしたいと思ってもかなり難しいです。三脚でおきながら使うっていうよりやっぱ手持ちで使うことを想定されてるからかな。もうちょっとチルトして欲しかった。
ただし、ローポジにしたいなら逆さまにして使うのはありです。ほんの少しコツが必要ですが、まっすぐ横に倒していくと回転せずに逆さにできます。
そのまま手首を捻って通常の状態に戻そうとする時はちょっとだけコツがあって、背面トリガーを押しっぱなしにすると強制的にチルトモードになるのでガタガタせずに元の位置に戻せます。
チルトモードに入らないで戻そうとしてもiphoneがひっくり返るだけなので注意です。
ちなみに背面トリガーは2回タップで回転方向をリセットして正面向きにします。
縦横切り替えは簡単
デフォルトではポートレートモードといってスマホが縦になります。パネルの切替
ボタンを2回短く押すと縦横が切り替わります。ジンバルモードは4種類
OM6にはジンバルのモードが4つあり、場面に応じてスタビライズの仕方を変えられます。正面の液晶にマークが表示されており、右のMボタンを押してモードを切り替えて行きます。
- フォローモード:ガッチリ安定させながらパンフォロー
- チルトロックモード:チルト軸をロックしてパンのみ追従
- FPVモード:ななめにも動き、少し遊びを持たせられる
- スピンモード:スピンショットがとれる
ジンバルの挙動は上記4つから選べます。
私は基本フォローモード。RSシリーズにあるスポーツモードがないので急激なパンにはついていけません。その辺は余裕を持ちながらワークする必要があります。
Osmoを使うべき理由
iPhoneのスタビライズ機能が優れているならOM6を使うことに何の利点があるわけ?っていうのが今回のお題でしたので見ていきましょう。
アングルに幅が出る
手持ちだとアングルやポジションによってはかなり無理のある体勢になります。
例えば、ローアングルで並走や回り込みしたいとき。手持ちだと腰を曲げなきゃいけず、けっこうきつい体勢になります。OM6ならロッドの長さがあるので腰を変に曲げずに無理ない姿勢で撮影できます。これは普通にメリットとしてでかいです。
ロッドを伸ばしたら本来は手が届かない範囲まで伸ばせるのも強み。柵を越えて水面スレスレとか、花畑にスマホだけ突っ込んで撮るとか。
あとはちょっとだけどハイポジションもいけちゃう。これは手持ちじゃできないアングルですね。そこから降りてくるみたいな動きがつけられます。ジンバルなしだと角度も難しいし、ダウンする過程でブレやすいです。
ローにしろハイにしろやはり画面が見えにくくなるので、手元にモニターを用意するなど工夫すると盤石かも。ミラーリングとかコンバーター経由の有線モニターアウトとかですかね。試したことないんですけど。
ローポジは注意しないと画角次第ではOM6本体が見切れてしまうことも。レンズ倍率や角度を気にしてあげる必要があります。
水平がとりやすい
手持ちだと水平がとりにくくて、横で並走するとか場合によってはかなり斜めになっちゃうことがあります。
撮影した後に家帰ってでかい画面で見たら、なんかずっと坂で撮ってるみたいに見えることとか、かっこよく回り込んだつもりが斜めになってた…なんて残念なことになるかもしれません。
特に走ったら最悪で、すげー疲れたのにまた撮影するの?ってテンションさがっちゃいますよね。同じ失敗する可能性高いし。
OM6なら基本勝手に水平をキープしてくれるので、心配しなきゃいけないことが1つ減って、よりフレーミングとかフォローに集中できるようになります。
スタビライズ効果が高い
iPhoneのアクションモードめちゃくちゃいいと思います。マジですごい、全然ブレないし。
アクションモードの落とし穴なんですけど、これ使うと4Kで撮影できないんですよね…2.8Kになるんですよ。フルHDで撮る人には関係ありませんが、4Kで画質にこだわりたい場合はOM6あった方がいいかもしれません。
アクションモードオフだとやっぱりOM6を使った方がスタビライズ効果が高いです。手持ちの方がアングルの補正しやすいってメリットはあると思いますが、ジンバルで慣れた方が滑らかな映像にできます。
ソフトで補正すればいいじゃんとも思うかもしれませんが、ソフトは縦とか横みたいな平面的な動きには強いんですけど、そこにZ軸の動きが入って立体的なブレになると補正し切れません。なんか酔っ払ったみたいな、ぐわんぐわんワープしたようになります。やっぱり撮影段階で、物理的に揺れを抑え込むのが一番効果的です。
いかに身体の揺れをなくすかが最終的な映像の滑らかさに直結します。電動スタビライザーにつけたからといって何も意識しないで歩いたら期待するほどの効果は出ない可能性が高いです。これはOM6も一緒。
セルフィーに向いてる
ロッドが伸びるのでスマホを無理のない体勢で物理的に離すことができます。いわゆる自撮り棒的な役割を果たすわけです。一人ならともかく、複数人入ってきたり景色をもっと見せたりしたいなんて時は便利ですよね。
手をアイレベルまで高くしておく必要がなく、リラックスした位置で持てるので疲れにくいのも強みです。
片手で操作が完結できるのも最高。右手のみで、ジンバル持ちながら操作できるように設計されています。録画ボタンとか、インカメ・外カメの切り替えとか親指1本でできるのでストレスないです。
アクティブトラッキングが地味に優秀
スマホの中のものを捉え続けるアクティブトラッキング5.0を搭載しています。スマホでドラッグするとボックスを描けるんですけど、ここの中の物を解析してトラッキングしてくれます。
これ人の顔だけと思われがちなんですけど、実際は人の顔じゃなくていいんですよね。物体でもボックスで上手く囲っちゃえばそこを判別して勝手にトラッキングしてくれます。しかもまぁまぁ精度が良い。
もしジンバルに慣れてなくて、例えばこれが初めて買うやつなんだったら、最初はこれで練習してみるのもいいかも。あまり回転を意識しないでもスマホがそっち方向いてくれるので。速すぎる動きには対応できないのと、自分で画角をコントロールする力が弱まるので使い所って印象です。
こういったOM6独自の機能を使うにはDJI MIMOを使う必要があります。シネマティックモード対応してないので、その辺は使い分けかな。
Osmoを使わない理由
逆にデメリット的な部分についてもちょっと考えてみたので、雑にリストとして挙げてみます。
- やはり持ち運びがダルい
- 操作習熟に時間がかかる
- スマホだけでもなんとかなる
なんだかんだ言って、結局ジンバル持ち歩いても使う時は割と真面目に撮影に取り組む時くらいなんですよね。日常的なスナップ動画みたいなの撮るならやっぱりポケットからスマホ出して撮影するだけになっちゃいます。
でも子供を撮る時とか極力ローポジにした方が背景も入るし綺麗なんですよね。その状態で動くのは手持ちスマホだと難しいので、OM6あるとめちゃくちゃ役立ちます。
どこまでそのカットにこだわるかですよね。アングルを工夫したり、揺れを極力抑えたいとか、しっかり安定したショットを狙いたいならOM6あった方が良いと思いますけど、特に利用目的ないならそのうち使わなくなって倉庫の肥やしになっちゃうかもしれんので保留ですかね。
まとめ
さぁ、ここまで果たしてiPhone 14 proにジンバルはいるのか?ということについてレビューしながら考えてきました。
- 普段使い・手軽に動画を撮るのがメインならなくてもいい。ただしアクティブモードがないならスタビライズ機能は期待できる。
- 4Kにこだわる・シネマティックモードで安定させたい・多様なアングルにチャレンジしたいなど映像制作にこだわる、または子供を撮りたいなら買おう。
アクションモードかなりすごいんですけど、やっぱり手でスマホを持って撮影するには限界があるというか、腕の回転とか届く距離とか色々あってアングルによっては難しくなっていきます。その点はOM6使った方が表現の幅が広がります。
そもそもアクションモードがないスマホだったら間違いなくOM6使った方が揺れは減って安定します。また、シネマティックモードはスタビライズ機能がないのでガシガシ動かすならジンバルは役立つでしょう。
ちゃんと撮りたいショット構想があるなら使った方が良いと思います。できるだけ滑らかな映像表現したい人は買ってみると結構使えるはず。ステディカムとかに比べたら圧倒的に簡単とはいえ、それでも習熟は必要ですけどね。
値段は2万円ってそこそこリーズナブルだと思います。