DJI SDR Transmission 2を実際に購入して使ってるのでレビューします。
- TX/RX共通化
- 4K60p対応
- H.265 / 最大50Mbps
- Auto Channel 2.0
などなど。しっかりめにアップグレードされてますね。
その一方で、初代では本体にあったSDIが拡張プレート式になり、iPhoneやiPadへのWi-Fi直結もなくなりました。全部そのまま上位互換だせ!というわけではなく、ある程度のトレードオフがあります。
とはいえ、家でガジェットを撮るときにケーブルを減らしたい!くらいの弱い動機で買った私の用途には十分すぎるほど応えてもらっていますね。
動画で見てみる
DJI SDR Transmission 2と初代の主な違い
| 項目 | DJI SDR Transmission 2 | DJI SDR Transmission |
|---|---|---|
| 本体 | TX/RX共通 | TX/RX別 |
| 最大映像 | DCI 4K/60fps | 1080p/60fps |
| HDR | HLG/HDR10 10-bit | 非対応 |
| 映像コーデック | H.265 | H.264 |
| 最大ビットレート | 50Mbps | 20Mbps |
| 最低伝送遅延 | 35ms | 35ms |
| 最大伝送距離 | 4km(CE) | 2km(CE/MIC) |
| SDI | 拡張プレートで対応 | 本体搭載 |
| スマホ監視 | RXから有線 | 有線 / TXからWi-Fi直結 |
| 購入先 | Amazon | Amazon |
TXとRXが同じ本体になった
個人的にかなり便利だと思ったのが、TXとRXの共通化です。

初代は送信機と受信機が別でしたが、SDR 2では本体側のスイッチでTX/RXを切り替えられます。切り替え時には3秒のカウントダウンがあってから再起動するので少し時間はかかりますが、本体を送信としても受信側としても使い回せるのはかなりありがたいのでは。

1台のTXから最大8台のRXへ接続可能。自分は基本TX1台、RX1台で終わりそうですが、あとから増やしたくなったときに同じ本体を買い足せばいいですからね。レンタルもしやすそう。
H.265 / 50Mbps、そして4K60p
画質面もアップデート入ってます。

初代はH.264、最大20Mbpsでしたが、SDR 2ではH.265、最大50Mbpsまで引き上げられています。さらに伝送解像度も1080p60から最大DCI 4K60pへ対応しました。
実際に32インチ4Kモニターへ出して4KとFHDを見比べると、細かい文字やディテールは4Kのほうがかなり残ります。FHDまで落とすと、拡大したときのピクセル感もはっきり増えました。
自分はモニターだけで厳密な画質判断をするというより、基本は構図確認がメインです。それでもピントを確認したいことはありますし、ここまで見えるなら4K対応は普通にありがたいです。
S-Log3ではボケ部分のバンディングや色ムラが少し見えることもありました。ただ、直結時にも元から多少ありますし、S-Cinetoneではほとんど気になりませんでした。
遅延はモニター側の影響もかなり大きい
SDR 2の公称最低伝送遅延は35msで、ここは初代から変わっていません。
そこで普段使っている24p環境で、カメラからモニターまで含めたE2Eの遅延を測ってみました。
Portkeys LS7Pでは以下の通りとなります。

直結時が4Kで4〜6フレーム、FHDで5フレーム遅れ。SDR 2を通すと7フレーム前後でした。SDR 2によって増えた差は1〜3フレーム、24p換算で約42〜125msです。
LS7Pの入力遅延が遅いみたいで、結構な枚数の遅れがあります。
一方、4K60pを受けられるTCL 32X3Aは以下の通り。

直結が4フレーム、SDR 2経由も4〜6フレーム程度。Low Latencyを有効にすると、24pで見ている限り直結との差がほとんど分からない場面もありました。
7フレームまで遅れるLS7Pでは、モニターを見ながらマニュアルフォーカスを追うのはかなり厳しいです。
逆に4〜5フレーム程度なら、自分の用途では普通に使えました。
失敗できない現場でフォーカスを厳密に追うなら、やはりTeradek Boltのような低遅延機が候補になるでしょう。自分は7インチモニターでは構図確認が中心で、フォーカスも基本AFだしね、そこまではいらないです。
というかBoltは個人で所有するには高すぎるし、あまりにもオーバースペック。
伝送距離とAuto Channel 2.0
公称伝送距離はCE環境で初代の2kmから最大4kmへ伸びました。
自分は主に室内で使っているため、さすがに4km飛ばすような検証はしていません。ただ、家の中で使う範囲では当然ながらまったく問題なし。これまでケーブルを引き回していた場所をそのままワイヤレス化できるだけでもかなり楽になりました。
Auto Channel 2.0では、周囲の周波数状況を見ながらチャンネルを自動で切り替えます。無線機器が多いスタジオでは、単純に距離が伸びること以上にこっちが効いてくる可能性があります。
現場でチャンネルを探し回る作業はかなり面倒ですし、直前まで大丈夫だったのにいざ本番となるとエラー起こるなんて現場あるあるじゃないですか。ここは実環境でも試してみたいところです。こういう悩みが少しでも減れば美味しい。
SDIは拡張プレート式になった
初代との大きな違いがSDIです。
初代はTX/RXとも本体にSDIを搭載していましたが、SDR 2では別売りの拡張アクセサリーへ移動しました。拡張にはSDIだけでなく、HDMIやUSB-Cも追加されます。
基本HDMIで使う自分にとっては、必要のないSDIを本体から外して136gまで小型化した今の形はそこまで悪くありません。
ただし、SDIを使う人にとってはちょっと話が変わります。
拡張プレートは約105gあるため、本体と合わせると約241g。初代の約145gよりかなり重くなります。さらにSDIは3G-SDIで最大1080p60までなので、4K60pを使う場合は本体側のHDMIかUSB-Cが必要です。
SDIメインなら、初代のほうが身軽なんだよねぇ。
それに、初代は最初からSDI・HDMI・USB-Cの3系統同時出力に対応していましたが、SDR2では拡張アクセサリーなしだとHDMIかUSB-Cのどちらか1系統にしか出力できません。拡張アクセサリーを取り付けることによって、SDIとHDMIが追加され、さらに本体側のHDMIかUSB-Cアウトのどちらかを合わせて3系統の出力となります。

私が試したところ、拡張なしでもHDMIとUSB-Cによるスマホ接続でRONIN APP経由でなら2系統の出力が可能であることを確認しました。
USB-C入力とスマホ接続
USB-C DisplayPort Alt Modeにも対応しているので、MacBookなどの映像をUSB-CからTXへ入力して、そのままワイヤレス伝送できます。
充電にも対応しています。地味に熱い。
ただし…初代にあったTXからスマホへWi-Fiで直接映像を飛ばす機能は、SDR 2では使えませんでした。
iPhoneやiPadで見るには基本的にRXが必要で、そこからUSB-Cで有線接続する形になります。これは初代より明確に不便になった部分だと思いました。
実際に使ってみた感想
価格は初代より結構上がりましたね。
初代はこれくらい。
しっかり高いんですが、元々出していたDJI Transmissionの方が断然高いです。
ちょっと個人で買うには高すぎるよね、だってカメラ買えるレベルだし。
それがDJI SDR2になって以下の通りに。
うーん、これだけだとまぁ2万円プラスか。となりますが、SDIを使いたいとなると拡張アクセサリーが必要となってくる。
これは1つでこの値段です。1つ辺りのDJI SDR2がだいたい5万円強なので、拡張アクセサリーめっちゃ高くね?と思いました。2つ買ったらそれだけで7万円くらいになるので、トータル17万円になります。
それでも、4K60p、H.265 / 50Mbps、TX/RX共通化、伝送距離の拡大といった進化はかなり大きいです。映像も十分きれいで、少なくとも自分のように室内で構図確認をしながら撮る用途ならかなり快適でした。
一方で、SDIは拡張プレートが必要になり、スマホへのWi-Fi直結もなくなっています。SDIを常用する人や、受信機なしでスマホ監視したい人には初代の方が良くないかとなるのも分かる。
レンタル機材屋としても恐らく拡張アクセサリーをセットにせざるを得ないのではと思っています。ガチ現場でHDMIで済むわけがないので。それを別アクセとするとそれはそれで管理面倒そうだし。
つまり以前借りてたSDRよりも費用がかさむ可能性もあり。だから初代で済むなら初代で良いと思いますが、画質の向上などを考えると現場では2の方がいいんじゃないかと思ったりもして。
とりあえず、私は自分が欲しかった「4Kでそこそこ低遅延、しかも小さくて個人でも買えるワイヤレス伝送」としては、普通に大満足しています。
ケーブルレスって最高。




