3年使ったSONY a7IIIを手放してSONY a7IVへと買い換えたゲームギークです。
a7IIIが非常に人気のあるカメラだったので、たくさんのレビューでa7III VS a7IVってのを見るんですよね。
よく聞く話は「a7IIIで十分です」ってやつですが、シリーズの後継機だしアップグレードコストが見合わない…って話はあったとしても少なくとも劣化はしないでしょって感じで勢いで買ってみました。
今回は個人的にa7IVに乗り換えて結構よかったよってところ、商品紹介動画や写真を撮影している者の観点から紹介していきます。
a7IIIからa7IVに乗りかえて良かったこと
スペック比較とか諸々は省きます。公式サイト見てください。
4K60P撮影に対応
a7IIIの頃は4Kの30pが最高だったのですが、a7IVではフレームレートが60pにまで対応しました。
私は常に30pでプロジェクトを作っているんですが、尺が足りない時は60pで撮っておけば2倍速(速度50%)まで引き延ばせるので、悩む時間が減って編集がスピードアップする利点があります。
リアルタイムで話しながら収録するとスローは使えないワザなので、インサート用に動画を撮るときとかに使うと良いと思います。
画角がSuper35mmにクロップされちゃうんで持ってるレンズが軒並みタイトになります。これはつまるところダウンサンプリングが小さくなるので画質の低下にも繋がります。なので常に60pにするわけにもいきませんが、必要な時だけ利用する形だと優秀かと思います。
上記画像はSIGMA 28-70mmのワイド端である28mmで撮影したものです。フルサイズがSuper35mmにクロップされると1.5倍なわけですから、28mm→42mm相当になります。
本音を言ったら4K120p欲しかったけど、4k60pも動画撮影者としてはありがたいです。
写真と動画モードの切り替えスイッチ
これマジ最高です、このスイッチ神。
動画も写真も両方撮る人だと、今まではモード切り替えの度にダイヤルをカチカチ動かさなきゃいけなかったんですよね。このダイヤルを回す幅が地味に大きくてまぁまぁストレスだったんです。その上ピクチャープロファイル(PP)も選択し直さなきゃいけないというダルさ。
電源落とさずにバッテリー切れるとたまにバグってPPが直前の選択に切り変わってたりして、途中で気づいて途方に暮れたことが何回かありました。普段動画はs-log3で撮ってるから撮影時の露出とかあんまり追い込んでないことが多くて、通常のガンマカーブで撮られちゃうと後で調整できないから地獄です。
それを解決してくれたのがa7IVのダイヤル。写真と動画モードはそれぞれPPとか絞りの値を直近のまま保存してくれるので、事故も減りました。写真と動画の切り替えが高速になったし、まさにスチールも動画も撮れるハイブリッドタイプになったなって感じです。
オートフォーカスの精度アップ
ソニーも精度上がったって言ってますし私の体感違いじゃないと思うんですけど、フォーカス賢くなってない?あと速くなってない?と思ってます。
今まではフォーカス探りにいっちゃってた凹凸のない表面とか、IVではピント取りやすくなってるみたいでビシッと1発で合うことが増えました。
ピント通り過ぎて戻ってみたいな迷うような挙動が少し減ったので、「フォーカス一瞬外れてるな、惜しいんだよな〜もう一回撮るか」ってのが少なくなりました。
これは拡張スポット使っている時の話で、ワイドモードにすると大して難しい画でもないのにずっとピントが合わないことがあります。この辺はまだ研究しなきゃです…。
再生画面の表示速度アップ
私はいつも外部モニター使って撮影してるんですけど、再生ボタン押すとモニターに再生画面が出るまでタイムラグがけっこうあったんですよね。
これ割とストレスだったので再生確認はせず、少しでも怪しいと思ったら間髪入れずにもう一回撮っておくみたいなことしてました。
でも再生画面の表示スピードが格段に速くなったのですぐに映像確認することができるようになりました。もしかして使ってるSDカードによる説もあるのかな、一応少し早いのに買い直したんですけど。
大袈裟なグレードアップじゃないんで、そんなことないと思います。本体の性能…のはず。
バリアングルモニター
a7IIIはモニターの縦角度しか変えられないチルトモニターでしたが、a7IVではひっくり返したり横も角度を変えられるバリアングルモニターになりました。
写真撮る人なら昔の方がいいよって話よく聞くんですが、確かにそう感じる部分もあります。なぜかというと、モニターを横に出すとカメラの中心点からズレるのでセンターが分かりにくくなります。
でも動画を撮っている時、特に俯瞰でカメラ構えてるとモニターに角度つけておけるのめっちゃいいんですよ。
フォーカスが拡張スポットの場合、フォーカス位置を決めるためにモニター上をタップしなきゃいけませんがバリアングルだと触りやすいという利点があります。
加えてタップの感度が高くなってる気がしています。フォーカス送りでは映像が揺れないように繊細なタップが求められますけど、前はタッチが反応してくれないことが多かったんですが、IVではあまり失敗していません。
最新のCreator’s Appだとスマホでフォーカス位置の指定ができるようになっています。REC中はフォーカスの移動ができないっぽくて、そこだけ残念です。
手ぶれ補正が地味に良い
手ぶれ補正モードが搭載されていて、これをオンにすることで手持ち時の揺れが抑えられます。玉の長さにも寄りますが、a7IIIよりはだいぶ良さそう。
室内のガジェットを撮影する場合、アクティブモードオン+60pの2倍速でスローかければハンドヘルドで自由に撮影しても結構スムーズなワークができます。ただしアクティブモードはスタビライズ分の画角がクロップされるため、画角が1.2倍程度になります。
画角がクロップされるということは画質も落ちるわけなので、基本は30pで必要な時のみ利用するのが良いでしょう。
フォーマットが速くなった
カードの容量が埋まってきたら定期的に行うSDカードフォーマット。定期的にといっても撮影の頻度によると思いますが私の場合週1とか2くらいです。
フォーマットのスピードがa7IIIに比べて格段に速くなりました。まぁそんな大げさな影響はないんですが、必ず使う機能ですし地味に嬉しい機能ですよね。
ストラップの三角リングが鳴らない
a7IIIの時はストラップを外してしまうと、ストラップの留め具である三角リングがフリーになってカチャカチャと音をたてていたのが気になりました。
a7IVではその点改善されていて、リングがフリーになってもあちこちに動かないようになっています。小さな違いですが毎日カメラに触る人間にとってはこういう気遣いは嬉しい。
特にメリットだと思ってないトコ
パワーアップしてるのは間違いないんだけど個人的にあまりメリットだと思ってない点についてとりあげます。
4:2:2 10bit
私くらいのカジュアルビデオグラファーだと正直4:2:2 10bitは手に余る代物なんですよね。
手に入れた当初に10bitで撮影してみたんですが、ファイルの容量も倍増、編集で書き出しにかかる時間が以前の数倍になってしまいかなりのストレスに。
正直バンディングとか出てても別にいいやくらいの感覚で動画撮ってるので、ガチめな案件でも舞い込んでこない限りは役に立つことなさそうです。
10bitによってロスする時間と結果が見合ってないと感じてしまうというか。これは私が10bitをしっかり理解してないというせいもあるかもですが、現状はこの通りです。いずれ正反対のこと言ってるかも…。
価格
やっぱり高い…。
動画にこだわるならこれよりも断然安いFX30っていう選択肢もありますよね、4K120Pで撮れますし。もうちょっと安ければ嬉しかった。
さいごに
他にもバッテリーの減りが速い、発熱するみたいなデメリットもあります。バッテリーに関しては室内撮影なら2個使いまわせば全然問題ありませんが、外撮影だと問題かもしれませんね。
a7IIIは全然現役でも使えますし、確かに10万円のアップグレードとしてはもうちょい何か欲しかった気もしますが、順当に3か4へと進化していて個人的には満足しています。
バリアングルモニターで良かった〜と思うタイミングが多々あって、このおかげで無理のない体勢で撮影できるようになったのは助かってます。
スチールメインだったら微妙かもしれないけど動画メインだったらa7IVへアップグレードするとストレスが減りますよ。