DSLRで撮影を始める時、大抵は本体のRECボタンを押して録画を開始します。というか、カメラ単体では基本的にそれ以外の方法はありません。
しかし、RECボタンを押すことでカメラ本体が揺れてしまったり、真俯瞰撮影していたらいちいち手を伸ばしたりと面倒なシーンが多いです。
そんな悩みを解決するにはリモコン。今はスマホでもアプリをインストールすればリモートコントロールできる時代ですが、ここであえてリモコンを使う利点とは何でしょうか。
「SONY a7III」におすすめの純正リモコン「RMT-P1BT」でその理由について探っていきます。
SONY RMT-P1BTとは
ソニーの純正リモコンである「RMT-P1BT」。
赤外線ではなくBluetoothで接続するため、向きや障害物を気にする必要がない優秀なリモコンです。
小さくてコンパクト、AFボタンやC1ボタンなども搭載していて、RECだけでなく多彩な撮影機能をコントロールできます。
利用できるカメラは限られていますので、買う前に確かめておきましょう。
- a6100 / a6400 / a6600
- a7R III / a7 III / a7R IV
- a9 / a9 II
- RX100 VII / RX0 II
なぜリモコンを使うのか
「SONY a7III」ではスマホを接続してアプリ経由でカメラをコントロールすることができます。映像も見られますし、ISOやシャッタースピードといった細かい設定も変更できるので場合によってはとても重宝します。
しかし私はあえてそれなりに値段のするこのリモコンを購入しました。その理由について説明していきます。
スマホでの接続が繋がりにくい
iPhoneでa7IIIと接続しているのですが、毎回新しくカメラを登録しないと反応してくれなくて、QRコードを毎回読み込むという手間のかかる作業を強いられます。
本来は一度登録すれば次からはアプリで接続できるはずなのですが、カメラを見つけてくれません。精度が悪いのかよく分かりませんが、これが結構ストレスです。
また、アプリをバックグラウンドに移動させると接続が切れてしまうこともストレスの要因として挙げられます。
スマホは他の機器で使う
リモコン作るのは高いからアプリを作ってスマホで使ってもらおう、なんてどこの会社も考えることは同じですね。確かにスマホ経由だと感覚的な操作ができるのでとても便利です。
ただし、スマホで操作しなきゃいけないアプリが多すぎます。
私は電動スライダーをスマホアプリで操作しているため、カメラ用のアプリを開いている余裕がほとんどありません。
電動スライダーを使っていないタイミングでも、ライトのカラーを変更するだとか、Evernoteで撮影予定のショットリストを確認するだとかで本当に余裕がないです。
使える映像の尺が長くなる
カメラ本体のRECボタンを押すと必ずカメラ本体は揺れてしまいます。
いつもはこの揺れが収まるまで待ってから撮影開始するのですが、時には揺れが完全に収まっていないのに始めてしまうことも。後で確認して揺れを見つけてしまうと最悪撮り直しなんてことになるかもしれません。
リモコンを使えばカメラに直接触れないため、RECボタンを押した瞬間から使える映像になります。
どこにカメラがあってもREC開始が楽
真俯瞰撮影する時はカメラは高い位置から真下を向いています。そうなると、RECボタンは必然的に一番高いところの見にくい・手が届きにくい場所になります。
そういったカメラアングルやポジションを全く意に介さないのがリモコンです。わざわざ椅子に登ってRECボタンを押すなんて必要もなくなって、時間短縮になるし身体への負担も減ります。
RMT-P1BTの優秀な点
ここからは「RMT-P1BT」に関する優秀な点について説明していきます。
Bluetoothなので感覚的に使える
「RMT-P1BT」はBluetooth接続なため、赤外線のように一定方向に向けて使う必要がありません。机の片隅などに置いておきながら、必要な時にポンッとボタンを押すだけで録画開始してくれる、これは最高に便利です。
毎回ほぼ必ず録画開始してくれますので安心感がかなりあります。赤外線だと押せてなかった・・なんてことが起こりえますからね。タイムラグもほとんどないですし、リモコンのLEDランプでRECされているか確認できるため収録ミスもありません。
思った以上に軽くてコンパクト
サイズは縦116.5mm、横33mm、厚さ15.1mmと小型です。箱から出すまではもうちょっと大きいかなと思っていたのですが、小さい。FireTVスティックと似た感じですが、比較してもそれより断然小さい。
また、約35gと非常に軽いのも魅力です。ポケットに入れておくと存在を忘れてしまうくらい軽い。
カメラ側に取り付けるものも存在しないためコンパクトで使いやすいです。
多彩な撮影機能
実はAFボタンやフォーカス/ズームボタンなど多機能。
スチールと動画でRECボタンの機能を変更することができます。本来スチールと動画だとRECボタンの仕組みがちょっとだけ異なるので、そこにちゃんと対応してくれてるのは嬉しいですね。
実は個人的にはRECボタンさえ回れば大感謝なのであまり使っていませんが、使いみちがある人にとっては良い機能でしょう。
RMT-P1BTの問題点
とても使いやすくて満足度のあるリモコンですが、いくつか改善点も見受けられます。
カメラがスリープしなくなる
カメラ側のリモコン操作を入にしておくと、通常オートスリープに入るカメラがスリープしなくなります。
元々、カメラは電源を切り忘れても自動でスリープしてくれていたので、あまりバッテリーについて考えることはありませんでした。ですがリモコンを使ってからバッテリーの消耗が目に見えて激しくなりました。
この謎仕様は改善しておいてほしかった。ファームウェアアップデートでなんとかならないのかな・・。
タクタイル感が少ない
各ボタンの押した感が少ないのが残念ですね。RECに関して言えばLEDランプがあるので問題ありませんが、単純にクリック感としての満足度はないです。
特にこのリモコンは半押しでピントを合わせられるのに、半押し感が全くないので不安です。どちらかというと、これは好みなので性能的に問題があるわけではありません。
できることには限りがある
RECボタンやAFボタンなどはあるものの、当然できることは限られています。バルブ撮影やインターバル撮影などはできません。こういった機能を求めるのであれば別のレリーズを購入する必要があります。
あくまでRECボタンを楽に押す、この1点のみで私は購入しています。あまり多くを求めず、少しの負担を減らす程度の目的で買うのが良いかと思います。
まとめ
なぜスマホアプリではなくリモコンをわざわざ買ったのか。そして「RMT-P1BT」の優秀な点と問題点はそれぞれ何か、見てきました。
- リモコンを使う理由
-
- スマホでは接続が繋がりにくい
- スマホは他の機器で使ってしまう
- 本体に触らないので使える映像尺が長くなる
- どこにカメラがあってもREC開始が楽
- RMT-P1BTの優秀な点
-
- Bluetoothなので感覚的に使える
- 思った以上に軽くてコンパクト
- 多彩な撮影機能
- RMT-P1BTの問題点
-
- カメラがスリープしなくなる
- タクタイル感が少ない
- できることには限りがある
対応するカメラを持っていて動画撮影をしているのであれば、これがあるだけでめちゃくちゃ楽になりますのでおすすめです。