Edelkroneから新製品であるSliderPlus V6が発表されました。前作であるSliderPlus V5が発売されてから実に5年の月日が経ちましたが、待望の後継機となります。
今回はこのV6がV5からどのように進化したのか。V5所有者である私がアップグレードするべきか悩んだので、スペック表を見比べ、実際のV5の使用感から考えて価格などは妥当なのか考えてみました。
Edelkrone SliderPlusとは

EdelkroneのSliderPlusはスライダーの長さの2倍動ける、長さが可変するユニークなスライダー。
詳しい挙動などは公式サイトの紹介ページを見るのが視覚的にも一番分かりやすいので、ここであえて詳しく説明することもないかなと思っています。
SliderPlus V5とV6の違い
SliderPlus | V6 | V5 Compact | V5 Long | V5 Compact Pro | V5 Long Pro |
---|---|---|---|---|---|
サイズ (L x H x W) | 770 x 65 x 95 mm | 336 x 108 x 71 mm | 536 x 108 x 71 mm | 437 x 108 x 71 mm | 637 x 108 x 71 mm |
地面設置の可動域 | 45cm | 20cm | 40cm | 25cm | 45cm |
三脚設置の可動域 | 90cm | 40cm | 80cm | 50cm | 90cm |
重さ | 3.3kg | 1.38kg | 1.45kg | 1.55kg | 1.84kg |
取り付けオプション | 3/8″ – 16 スクリュー | 3/8″ – 16 スクリュー | 3/8″ – 16 スクリュー | 3/8″ – 16 スクリュー | 3/8″ – 16 スクリュー |
ロック機構 | |||||
折りたたみスタンド | |||||
耐荷重 (地面) | 22.5kg | 22.5kg | 18kg | 22.5kg | 18kg |
耐荷重 (三脚) | 9kg | 6.8kg | 4.5kg | 11.3kg | 9kg |
- V5では4種類モデルがあったが、V6では1種類のみに
- モーターモジュールが最初から組み込まれた電動スライダー化
- より強力で速いモーターを採用
- ベルトスワッピングシステムの不採用
- マニュアルコントロールボタンの追加
- 専用のVertical Moduleが開発・発売
- 動作音の静音化
公式の宣伝を鵜呑みにするのであればこんなところでしょうか。モーターパワーや音、そしてスタビライズ性能がどれだけ向上したかは実際に触ってみないと分からない部分です。うーん実機を見てみたい。
Edelkrone V6の変更点
サイズが1種類に
サイズモデルに関して言うと、V5ではCompact/Compact Pro/Long/Long Proと4種類あり、それぞれスライダーの長さや耐荷重が異なりました。
いくつか選択肢があることで自身の用途や値段と相談しやすい構成だったのですが、V6では思い切って1種類になっています。
スペック表では分かりにくいですが、SliderPlus V5は元々モーターのないアナログスライダーです。なのでモーターが組み込まれたV6の方が長さがあるように思えますが、実際はV5のLong Pro相当のスライダーと考えて妥当そうです。
つまり、結構長い。短い方が良い!って人はV5 CompactとかCompact Proの方が良いかもしれない。
1番のフラッグシップクラスを定番化してきましたか。私のV5はCompact Proですが、長さ的に満足してるのでやはり価格で選べた方がいいなとは思うんですけどね。
耐荷重はどうなった
耐荷重はV5 Long Proとほぼ同等。地面に設置した時の耐荷重が少し増えているくらいでしょうか。
基本的にこのスライダーは三脚に載せて使わないと真価を発揮できないので、その観点で見ると9kgと特にV5と変わらずです。
モーターが組み込まれた
V5を電動化するにはモーターモジュールV3というこれまた少々高価な追加機材を購入して取り付ける必要がありました。
ただし、このモジュールは後付け型なので、挙動が完璧とは言いがたい部分もあります。たとえば私のスライダーの場合、左右どちら側にもモジュールの取り付けが可能なのですが、片側につけると手動スライド時にギアの噛み合わせがうまくいかず、動きがボコボコして外れやすくなってしまいました。逆サイドに取り付けたところでは問題なく動作したのですが、それに気づくまで少し時間がかかりましたね…。
電動スライダーだけど、手動で素早く位置を調整できるというのが本製品の強みでもあったため、これができないとなるとかなり悲しい。
V6では最初からモーターが内蔵されているため、こうした細かいストレスが解消されているのではないかと期待しています。実際確実に解消されてるだろうなとは思っています。
それと、V5スライダーについてもう一点。これは個体差かもしれませんが、中央付近でわずかに摩擦を感じるため、手動でスライドすると少し引っかかることがあるんです。これだけだと初期不良かな?とも思ったのですが、私はもともと電動化を前提にしていたため、そのままモーターモジュールを取り付けました。
電動化すれば、こうした摩擦の影響は一切感じず、非常にスムーズなスライドが可能になります。
とはいえ、やっぱりこのスライダーを使うなら電動が前提だよね、と思うところはあります。そういう意味でも、モーターを最初から内蔵してベルトスワッピングシステムを不採用にしたV6は、より滑らかになっているはずなので、まさに正統な進化だと感じています。
専用のバーティカルモジュール
SliderPlus V6でしか使えなさそうな専用のバーティカルモジュールが開発されています。

これを取り付けることによりスライダーを縦にした垂直なスライドも可能になるという代物です。
V6はV5でいうLong Pro相当のかなり長いスライダーですので、これを垂直制御するにはアタッチメントつけなきゃ無理ってことですね。
私はあまり垂直レール使わないので需要ありませんが、斜めもできるので、人によってはセットで買っておきたいかもしれません。
ちなみに私は縦の顎を入れるならJib Oneを使っちゃいます。
静音性・滑らかさ
この辺りに関しては実機に触らないとなんとも言えませんね。
V5をモーターモジュールV3で電動化したものはそれなりに静かな挙動です。マイクで音を拾うくらいには鳴りますが、特にうるさいと感じたことはありません。
被写体から少し離れれば録音も問題ないんじゃないかなと。私は基本ガジェットを無音想定のBロール用に撮る時に使うので音カットしますから、そこまで実務的なところは分からないと言えば分からないのですが…。
これより静かになってるならすごく良さそう。というか、内蔵型になったなら静かになっていそうな気はします。
スライドの滑らかさに関してはV5の段階でもかなりスムーズに動きますが、ポスプロでスタビライズをかけないとややカタツクこともあるため、少しでも良くなってくれてるならありがたいですね。とはいえ編集段階でスタビライズかけたら基本文句ないくらいには滑らかです。
価格はどうだ
モデル | 価格 |
---|---|
V6 | 221,000円 (20%オフで176,800円) |
V5 Compact | 73,600円 |
V5 Long | 88,300円 |
V5 Compact Pro | 103,100円 |
V5 Long Pro | 117,800円 |
Motor Module V3 | 95,400円 |
Vertical Module for V6 | 102,700円 |
このようになっています。
V6がV5におけるLong Pro+Motor Module V3という構成だと考えると、価格的には1万円違うくらいでほとんど変わりません。
スライダー自体よりもモーターモジュールV3の方が高いことがあるというね。
SliderPlus V6、発売したばかりは20%オフになっていますので割安で購入することができます。
また、セールに関してもっと言うと、Edelkroneは定期的に20%~30%オフのセールをするため、そのタイミングで購入するのがベストです。基本的に新しい機材であろうが高い機材であろうが割引されるのでかなりお得です。
さいごに
モーターが内蔵された最新スライダー、使ってみたいところではありますが、現在Jib One V2をメインに使っていることや、Longだと長過ぎるかなと思うこともあり、スルーしようかなと思っています。
なにかの拍子に手が滑って買っちゃったら深堀りレビューしますが。いや、やっぱ欲しいな。