スライダーだと横方向や軸方向での移動ショットは取れますが、回り込む・・という動きは結構難しいです。これは被写体が小さければ小さいほどそうなります。
ですので、スライダーの上にフルード雲台を載せてもスムーズなパンが出来ずに思い描いている結果にならない可能性が高いでしょう。
そこで今回紹介する卓上電動ドリーの出番です。
格安で実現するためなので、めちゃくちゃ滑らか・・とはいきませんが、工夫次第でそれなりに見れる映像になってくれます。
卓上電動ドリーでスムーズな回り込みを
この3輪電動ドリー、あくまで格安なので値段相応ではありますが優秀です。
電動で回り込みドリーを実現するためにはより複雑なセットアップが必要になるのですが、これは単体で成立します。
全く同じ見た目の製品を色んな中華業者が出していますが、基本的に中身は一緒なはずなので安いところを選べばいいかも。
電動ドリーの強みは簡単に車輪を曲げられて、回り込みドリーを可能にするところ。
この動画のオープニングの4カットはすべて本電動ドリーを使って撮影しています。
被写体を中心にして回り込むことで立体的な動きになっています。
車輪をまっすぐにすれば横ドリーもできます。
難点は真っ直ぐ走らせるためには角度を細かく微調整しないといけないので、トライアンドエラーで時間がかなりかかるところ。
卓上では優秀ですが、大きな被写体にはあまり向かないかも。
また、ある程度高さが嵩張るのでローアングルの撮影には工夫が必要になります。
電源のオフ・オンはスライド式スイッチ。
スピードは3段階で調節可能です。緑に光って分かりやすい。
逆方向への発進もワンボタンでできるのが便利。
コントローラーが付属してきますので、リモートでラクラク操作です。
一緒に買いたいアクセサリー
電動ドリーをさらに使いやすくするために一緒に買っておきたいものです。
SMALLRIGのダブルヘッドスタッド。
この電動ドリーには片側3/8インチネジ、片側1/4インチネジのスタッドしか付属してきません。
ドリー本体には3/8と1/4両方のネジがあいていますが、1/4が中央に寄っているのでバランス的には1/4を使いたいところ。
付属のスタッドでは高さが出てしまいますので、薄いスタッドを使うのがおすすめです。
まず、アングルの調整ができないとお話にならないので自由雲台は必須です。
最終的にこのようにセットアップ。
ある程度高さが出てしまいますが、これは仕方ないです。
スムーズなドリー効果を発揮するためには
この電動ドリー、優秀ではありますが、値段相応なだけあって小刻みに揺れます。
つまり、スロー撮影&スタビライズが必須です。
- 120fpsでハイスピード撮影
- 編集でスロー処理をかける
- さらにスタビライズをかける
これでそれなりに滑らかな回り込みドリーが実現できます。
120fpsが理想ですが、カメラが60fpsしか対応していなければそれで試すのも良いでしょう。
私は大体30fpsで編集プロジェクトを作成しますので、編集上で4倍スローをかけます(25%まで遅くする)。
それからスタビライズをかけます。FCPXでは「手ぶれ補正」ですね。
スタビライズすると画角は狭くなりますので、最初から少しゆるめに撮っておくと良いでしょう。
これで完成です。
FCPXを使っていて、これでは歪みが出て使えない・・という場合は「LOCK & LOAD」という有料プラグインを試してみるのも良いかも。
どうもより高度なスタビライズをしてくれるみたいですが、私は試したことありませんので情報だけということで。
回り込みだけでなく、ドリーを真っ直ぐ、見下ろすようなアングルにすればキーボードのドリーも撮れます。
アイディア次第でとても使えるドリーです。
まとめ
格安で回り込むようなドリー効果を撮影できる電動卓上ドリーの紹介でした。
小さな被写体でスムーズなドリー効果を演出するには電動であることが必須です。
手動だと必ずブレたりスピードが可変してしまって「手動感」が出てしまいます。
このような電動でドリーする機材は高価なのですが、このドリーは格安。
値段相応ではありますが、とりあえず試してみても損はないです。