動画を撮るならなるべく使いたい外部モニター。
特に4K高画質で撮影すると、小さなホコリやゴミなど目には見えにくい大敵がそこかしこに潜んでいます。
編集時になって「うわ~キッタナイ・・」ってなることも多々。
今まで「Neewer FW568」という格安のモニターを使っていたのですが、LUTを当てたり波形を見たりしたいし・・高くても有名どころを買ってみようということで「Atmos Shinobi」を購入しました。
めちゃくちゃ良いです。中途半端な買い物するなら頑張ってコレ買おうよって話です。
Atomos Shinobiってなに?
Atomosはモニターを専門に開発していて、SHINOBIとかSHOGUNみたいな「外人が日本に憧れてつけた名前」みたいな製品が特徴的です。
その実力は折り紙付きで、プロの業界でも普通に使われる名の知れた有名なブランドです。
今回紹介する「Atomoso Shinobi」は軽量かつ4K30p/HDR対応したミドルレンジ帯の5インチ外部モニター。
上位クラスである「NINJA V」に比べると外部レコーダー機能がないのですが、その分軽くて安くなっています。
デザイン
まずはデザインについて簡単に見ていきます。
タッチ操作可能なIPSパネルモニター。画面サイズは5.2インチですが、液晶自体は6インチです。
解像度は1920×1080のフルHD。PPIは427。4K信号はダウンコンバートして出力します。
サイズは 151 x 91.5 x 31.5 mm となっています。ポリカーボネートABSボディ。
背面の左側には電源ボタン。中央はバッテリー装着端子です。
バッテリーはスライドしてはめるタイプ。
すぐ左には押すことでバッテリーを外せるボタンがあります。
右サイドにはSDカードが入ります。REMOTE接続もここの端子。
SDカードは主にLUTをインポートするためのもの。REMOTEはキャリブレーションをとるときに使います。
左サイドにはHDMI入力とオーディオ出力端子。
トップとボトム、両方に1/4インチのスクリューマウント。
Atomos Shinobiの良いところ
「Atomos Shinobi」の強みを見ていきましょう。
お手軽なタッチパネル
画面をタッチして操作できるので直感的。
ボタンを何度もポチポチ押さなければいけない他のモニターと違って、素早くメニューにアクセスできます。
高輝度で明るく見やすい
スクリーンの輝度は1000nit。屋外でも見やすい高輝度と言われています。
私はほとんど室内でしか撮影しませんが、画面が暗くて見えにくいなんてことは一度もありません。
明るさはスライダーで調整可能です。
さすがに日差しが順光で入ってくると厳しそうなので、屋外撮影もするならフードはあった方が良いと思われます。
軽量で使いやすい
重さは約203gなのでかなり軽いです。小さい一眼レフに使ったり、ジンバルに乗せたりするのが多いので軽さは命。
レコーダーのついている「NINJA V」は360g程度ですので、実に160g近く軽量化されています。
NP-F750バッテリーを装着すると395gに。
バッテリーを外し、SmallRigのケージを装着したら357gになります。
最後にケージ+バッテリーのフルセットで測ると約549g。それなりな重さになりました。
LUTがあたる
S-logやCINE4などで撮影しているなら非常に役立つ機能。
SDカードからLUTをインポートして8つまでストックできます。
それを撮影中の映像にリアルタイムで適用できるので、より最終的な映像に近いものがプレビュー可能です。
ピーキング
フォーカスが合っている部分のエッジが分かりやすく光る機能をピーキングといいます。
フォーカスが段違いでとりやすくなります。
オートフォーカスが悪さをして、ガチャガチャ行ったり来たりしていてもすぐ分かります。
また、ちょっとした付着しているゴミなども判別しやすくなるので助かります。
ウェーブフォームとヒストグラム
ガンマカーブをいじって撮影すると、見た目で露出を判断するのが難しくなります。
そこで、ヒストグラムやウェーブフォームといった波形で映像を表す情報を確認しながら露出を判断します。
このように画面下に小さく駐在させることもできるので便利。
バッテリーは割と長持ち
モニター使用時は5,200mAhで約3時間使用可能です。
私が使用しているNP-750は4,000mAhですので、おおよそ2.3時間くらいは使えることになります。
体感だともうちょっと使えているようなイメージがあります。
こいつが2本あれば長時間撮影でなければ全く問題ないでしょう。
もし足らなそうであれば最も容量の大きい「NP-F970」シリーズがおすすめです。
7,800mAhで約6時間モニター使用が可能です。
その分大きくて重いので注意。
価格は手頃
お値段はそこまで高すぎない価格。機能の豊富さを考えると全く悪くない値段だと思います。
収録機能のついている「NINJA V」に比べると半額くらいかな?
本体収録だけで間に合うならこちらの方が断然手頃なのでおすすめです。
Atomos Shinobiの微妙なところ
では次に「Atomos Shinobi」のイマイチ・惜しい部分について見ていきます。
純正アクセサリーが高い
純正アクセサリーが高すぎます。
ケース、バッテリー2つ、チャージャー、フードでこの値段。
純正でどうしても揃えたい人は止めませんが、バラ売りで買った方が遥かに安いです。
ビルドクオリティは普通
素材はポリカーボネートABS。ちょっと安っぽく見える感じですね。
ビルドクオリティは4万クラスとしては普通かなという印象。
SmallHDとかのアルミボディは素晴らしいですからね。ただ値段もその分はちゃめちゃ高いわけですけど。
映像スルーアウトなし
他の映像機器に信号をスルーアウトさせるHDMI outはありません。
これがあるとさらに便利なんですけどね。
あったら嬉しかったなくらいには思いますが、すでに今ある性能でコスパ的にすごいので求めすぎかも。
タッチパネルの精度はイマイチ
タッチパネルではタップして選択、スワイプしてスライド、押し続けてスライダーをドラッグといったことができます。
たまに反応してくれないことがあって、そこではストレスがたまります。
これは単純にソフトウェアの問題なのかなと思うので、アップデートで精度を上げて欲しいところ。
一緒に揃えたいアクセサリー
指紋防止コーティングがされているとはいえ、そのまま使っていたら傷つく可能性は高いです。
必ず保護フィルムを買って貼りましょう。
こんなケースで十分。バッテリーは入らないですけど、ケーブルくらいは入ります。
もしバッテリーもまとめてたいならもうちょっと大きいやつが必要です。
バッテリーは安物で済ませます。
フードに関してはまともなものがないため、自作するのが一番良いですね。
外側に様々なアタッチメントを装着できるようにするケージ。SmallRig社製のものが一番かな。
丁度記事執筆時点では在庫切れでしたが、リンクはこちらになります。
たまに法外な値段で売られていることもあるので、1万円ちょっとよりも高ければ見送ったほうが良いです。
NEEWER FW568と比べて
前はとにかく安いモニターでいいからと思って、ジンバル用に買ったのがこの「Neewer FW568」。
1万円ちょっとくらいでとても安い上に、ピーキングや画面フリップ機能など割と多彩。コスパは悪くないです。
ですが操作性は悪い、長時間使うと熱くなる、ビルドクオリティは良くないといった微妙な部分がかなり多いのも事実。
大きな画面で映像を確認したい、という理由だけなら安いモニターもありかもしれません。
しかし、LUTやWFMといった撮影を補助する機能のクオリティ、そして操作性など諸々考えると「Atomos Shinobi」を推します。
レビューまとめ
手が届く価格で買えるプロレベルのモニターが「Atomos Shinobi」です。
本モニターは見やすさや機能が多いのはもちろん、ソフトウェアも使いやすい。
モニターが良ければ、撮影前にゴミに気づいたり、フォーカスのズレに気づいたり、適正露出にしっかりできたりと、撮り直しする可能性を減らしてくれます。
撮り直しできれば時間の浪費だけで済みますが、もし撮り直せないカットだったら・・?
編集で涙を流す前に、ささっとモニターへ投資しておくことをおすすめします。
- 優秀な点
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- 4K/HDR対応
- フルHD・427ppiのIPSスクリーン
- お手軽なタッチパネル
- 高輝度で明るく見やすい
- 軽量で使いやすい
- 3DLUTがあたる
- ピーキングが見やすい
- 波形を確認できる機能
- バッテリーは割と長持ち
- コスパはすごい
- 問題点
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- 純正アクセサリーが高い
- ビルドクオリティは並
- 映像スルーアウトなし
- タッチパネルの精度はイマイチ